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【愛しの会長様】

 まず彼が考えたのは、絶対に遅れてはならないということだった。
 悪党の巣窟、緑林寮にその身を置いてなお、怠惰からもっとも遠い所にいるあの人は、決して遅刻などしないだろう。
 伝統ある緑都学園の、歴代の有能な生徒会長の中でも一際輝くあの人。手塚忍生徒会長は。
 しかも、待ち合わせの時間に余裕をもって現れることは想像に難くない。
 1秒たりとも会長を待たせることなどあってはならなかった。少なくとも30分は前に、現地に着くようにしなくてはならない。
 東京の郊外にある彼の自宅から、待ち合わせ場所までは電車を乗り継いで1時間ほどかかる。30分前に到着するためには、単純に考えれば1時間30分前に家をでればよい。しかし彼はそれを良しとしなかった。
 何があるかわかったものではない。電車が遅れるかもしれないし、途中で知り合いに呼び止められ、無理矢理長話に付き合わされることもありうる。暴漢に襲われて、思わぬ負傷をする可能性も否定できない。
 どんな深手を負ってでも、待ち合わせ場所には行くつもりだった。しかしその場合でも、遅刻はまったくもっていただけない。
 そうして彼が設定した出発時間は、待ち合わせの3時間前だった。10時に会う約束なので、7時に家を出ればよい。
 彼は、自室の目覚まし時計を、4時にセットした。
 それから明日の支度を始める。私服で会長に会うのははじめてだった。何を着ていくか、非常に悩む。
 普段はそれほど着るものに頓着する性質ではなかった。ただ清潔で、華美でない、流行を追わない服が好みだった。
 かといって、会長とでかけるのに、あまりにも構わないのは問題だろう。
 しばらくクローゼットの中身を吟味して、ボタンダウンのシャツと地味すぎないジャケット、平凡なスラックスを選んだ。
 手荷物も確認する。財布、定期、ハンカチ、ちり紙。
 …そして緑都の学生証。
 素晴らしい学校だと前から思っていた緑都学園に、努力の結果入学できて本当によかった。そのおかげで会長に出会うことができたのだ。
 彼、緑都学園生徒会副会長(1年生)はしみじみと今日の午後の出来事を思いだした。





 土曜日の午後。授業は昼までで終わりだが、学校にはまだたくさんの生徒が残っていた。
 ここ、生徒会室もまた、大勢の生徒が慌しく動き回っていた。
 学園名物の体育祭が無事終わり、目前に迫った文化祭の準備に追われているのだ。肌寒くなった気候に反して、部屋は熱気に溢れていた。
「なんか、最近、手狭になってきましたよね」
 そんな中、唐突に布施直が言い出した。
 新聞部の画策した、手塚生徒会長リコール未遂事件の手先だった布施は、被害者である会長自身にその落ち度を許された。それ以来、何を勘違いしたか生徒会室に入り浸っている。
 いわば部外者である布施が、そう指摘したのだ。
 副会長は憮然とした。
 もっとも、無表情な彼の不機嫌は、室内にいる誰一人にも気付かれはしなかったが。
 生徒会室が手狭になったことなど、誰もが気付いていることだった。布施に言われるまでもない。
 手塚会長が生徒会長に就任してから、仕事の量は格段に増えた。それは1年生の副会長にも、去年の活動報告書と見比べることですぐにわかった。
 昨年度の会長は人格者ではあったようだが、仕事内容は凡庸だった。それから比べると、今年の生徒会活動はまるで眠りから覚めたかのようだった。
 次々に新しい提案が手塚会長からもたらされる。それを吟味し、生徒会役員の手で一つ一つ実現していくことに、副会長は充実感と喜びを感じていた。
 しかし、その作業量に比例して、書類はどんどん溜まっていく。
 生徒会室に備え付けられたファイルキャビネットはすでに満杯で、部屋の隅には収まりきらなかった書類がダンボール箱に詰められて、積み重ねられていた。
 しかし、キャビネットを占領している書類を、まず目を通すことなどないからといって、規定の保存期間前に処分することなどできない。
 手塚会長も以前から、この状況には満足していないことを口にしていた。しかし懸案事項が溜まっており、急を要しない書類の件は、棚上げになっていたのだ。
 なのに、布施は図々しく、書き物をしている会長に話しかける。
「この辺にちょっとした棚があるだけで違いますよねー」
 部屋の一画を大仰に示した。
「よかったら、僕、探してきましょうか?」
 …僭越だぞ、布施。
 副会長が苦々しく思う前で、会長は書類に落としていた視線を上げた。
「…そうだな。確かにこのままでは効率が悪いな」
 先程から蹴飛ばされたり、中の書類を取り出すため何度も開け閉めされている段ボール箱を見て、答える。
「じゃあ、先生に棚の余りがないか聞いてきますね!」
 そう叫ぶなり、布施は会長の返事も待たずに生徒会室を飛び出した。
 まったく、僭越な上に礼儀知らずだ。
 副会長はずり落ちてきた度のきつい眼鏡を、所定の位置に押し上げた。
 そして静かに手塚会長の隣に立つ。
「会長。現在校内の什器に余りはありません」
 副会長は校内の倉庫に転がっている使えそうなものは、全てリストアップして記憶していた。各教室の備品の使用状況も然りだ。この程度を把握していなくて、手塚会長の補佐など務められはしない。
 会長は副会長を見上げ、微笑んだ。
「君がそう言うならそうなんだろう。布施は無駄足だったな」
「止める間もありませんでした」
 止める気もなかったが。
 会長がさりげなく自分の能力を認めてくれたことに感動しつつ、布施のことはどうなろうが知ったことかと頭の中から閉め出した。
「まあ、すぐに戻ってくるさ。しかしあいつの言う通り、この状況は好ましくないな…。明日、ちょっと見てくるよ」
 そう言って、再び書類に目を落とす。
 その言葉に副会長は焦った。
 会長は、どんな瑣末なことでも自ら動く。書類の整理や買出しなども自分でする。
 副会長は、そんな姿を見かけるたびに、おのれの無力を悔やんだ。
 会長の仕事は、本来そんなものではない。全体を見て、自分達のような役員を手足に使い、学校を纏めていくのが職務だ。
 しかし有能な会長は、その職務を全うしたうえで、率先して雑務をこなす。
 そんな雑務に会長を煩わせたくはなかった。だからこそ副会長はいつも必死に立ち回っていた。それでも会長は、全てのことに気を廻して、さっさと動いてしまう。
 今回のことも、会長自ら日曜日を潰して探しにいく程のことではない。貴重な休みなのだ。会長には休養をとってもらいたかった。
「会長。書類棚は自分が探してきます」
 会長は再び書類から目を上げた。窺うように副会長の顔を見上げる。
「明日、心当たりを廻ってきます。お任せください」
「どのあたり?」
 脳内のデータベースから、什器を扱う店を探し出す。都内某所の地名を上げた。
 会長はふと笑った。
「じゃあ、明日、駅に10時な」
 副会長は、驚愕で凍りついた。
 その驚きはやはり、室内にいる誰一人にも気付かれはしなかったが。
 今、何を。何を言ったのだ。会長は。
 明日、10時に駅で、何だと言うのだ。
 まさか。まさか。そんなバカな。
 …待ち合わせだというのか。
「…はい、わかりました」
 驚きのあまり、『会長を煩わすことはありません』と断ることさえ忘れていた。
 明日、駅に10時。
 その後、仕事をこなしながらも、副会長の頭の中はその言葉でいっぱいだった。





 日曜日。
 副会長は結局、電車も遅れず、知り合いにも会わず、暴漢に襲われて負傷することもなく、待ち合わせ場所に2時間前に着いた。
 ほっと胸をなでおろす。これなら会長を待たせることはないだろう。
 副会長は待ち合わせ場所である、駅の改札が見渡せるコーヒーショップに入った。一番視界の開けた窓際の席で、持ってきた文庫本を開く。
 1ページめくるごとに改札を確認した。本の内容は、何度も中断されて頭に入らないが、全く問題ではなかった。
 待ち合わせ時間の30分前には改札前に移動して会長を待つつもりだったが、もしもそれ以前に会長が現れてもすぐここを飛び出せるように、備えておかなければならなかったからだ。
 じりじりと時間が過ぎ、待ち合わせの30分前に、副会長は予定通り改札の前に立った。
 それからは読書どころではない。会長の姿を見逃すことのないよう、油断せず周囲を見回した。
 休日のその駅は賑わっていた。それほど遊ぶ場があるわけでもないのだが、テナントの入った駅ビルがあったし、駅から歩いてしばらくのところには、昔ながらの問屋街などもあって、興味のある人間には魅力的な街だ。
 9時45分。
 到着した電車から吐き出された人々が、改札を出ようとこちらに向かってくる。その中に、副会長は目立つ長身を見つけた。
 こうやって改めて外で見ると、会長は異彩を放っている。
 姿勢よく歩く姿は人込みに混じっていても、侵しがたい気品を纏い浮かび上がって見える。
 そして普段はその容色にさほど気を向けることもないのだが、会長の美貌は疑いようもなく際立っていた。
 周囲の人々が横目で会長を窺っている。
 副会長の胸の奥に、じわりと不快なものが滲み出す。
 周りの輩が会長に目を見張るのは、あくまでも容姿のみのことなのだ。
 あの人の本当の素晴らしさはそんなものではないと、説いて廻りたくなる。
 持って生まれた判断力や頭の回転の速さもまた、賞賛されるべきではあるが、手塚会長のもっとも優れた資質はそれとも違うと副会長は思っている。
 副会長が、敬愛して止まないのは、手塚忍会長の努力する姿勢だ。
 多才で、何一つできないことはないであろう会長の、全てに払われる膨大な努力。
 その努力を隠すことも、ひけらかすこともない。
 生徒会室で仕事に空きがでれば、ごく自然にその場で参考書を広げる。
 体育祭の前には、どこから調達したのかアルミホイルの芯をしきりに握っていた。何だろうと思って聞くと、バトンパスの練習だと言う。あの時は、その真剣な様子になぜか酷い不整脈になったものだった。
 副会長は、会長がぼんやりとしているところなど一度たりとも見たことがない。半年以上、学校においては常に側にいるにもかかわらず。
 会長は常に 何かを為していた。人に指示する、作業する、片付ける、思考する。
 生徒会の仕事を離れているときもそうだった。遠くから見かける会長は、友人と話す時でさえ漫然とすることはない。
 手塚会長が今、この緑都学園で生徒会長を務め、学年主席を譲らず、最優秀の名を欲しいままにしているのは全て、彼自身の努力の賜物なのだ。
 その身を削るような真摯な努力を、副会長は全力で支えたいと思う。
 横に並び立つなど、思いも寄らないことだ。瑣末な自分にそんな資格はない。少し後ろから、疲れて傾いだ体をそっと支えたい、それが副会長の唯一の希望だった。
「おはよう。ひょっとして待たせてしまったかな?」
「いえ、自分も少し前についたばかりです」
 はじめて見る私服の会長は、思ったよりもラフな格好だった。ジーパンに、薄いセーターを合わせている。
 そのシンプルさが、会長には似合っていた。
 異様なほどだと副会長は思った。人目を惹くはずだ。制服姿からは想像もできないほどいろっ…。
 …。
 …。
 そこで私服の会長に対する感想を、無理矢理打ち切った。
 思考を止めなければ、とてつもなくまずい気がした。
「…では、行きましょう。場所は、こちらです」
 あらかじめ準備してあった店の所在地と概要を簡単にまとめたレポート用紙を渡す。会長は軽く目を通し、丁寧にたたむと財布にしまいこんだ。
「じゃあ、行こうか」
「ご案内します」
 会長が、先程見た用紙の地図を暗記していることは疑っていない。しかし会長に先導させることなどもってのほかだ。副会長はその店に向かい、先に立って歩き出した。





 心臓が破れそうだ。
 副会長はそっと胸に手を当てた。少々力強すぎる鼓動が手の平に伝わる。
 全身が熱い。たどり着いたオフィス家具専門の中古家具店は薄暗く、ひやりとしていて熱のこもった体には心地よかった。
 駅から店までの10分程の道のりを、走ってきたわけではない。会長を連れているのにそんな馬鹿な真似はしない。
 ただ、並んで歩いたのだ。
 駅から出たときは、副会長が先に立って歩いていた。しかし、会長はすぐに横に並んできた。
 副会長の脇の下が、じっとりと汗ばんだ。
 横に並ばれては案内ができない。と、誰に言うわけでもない言い訳をかなり必死に念じながら、副会長は足を速めて先を行く。
「急いでいるみたいだけれど、何かこのあと予定でも?」
「…いいえ」
 すると再び会長は横に並び、世間話を始めた。
 受け答えに、必要以上に力が入った。油断すると、すぐ横から発せられる人の熱に意識がいってしまい、話についていけなくなりそうだった。
 やっとの思いで、倉庫のような構えの店についたときには、副会長はすっかり消耗していた。
 店には昨日、あらかじめ電話を入れて在庫の確認をしてある。気を取り直して店員に陳列している場所に案内してもらう。目当ての家具の在庫は豊富だった。会長は熱心に家具の検分を始める。
 そこでようやく、副会長の動悸が静かになってきた。
 副会長にとって、手塚会長は手の届かない偉大な先輩だ。
 そんな人と、休日に待ち合わせて、並んで歩く。まるで親しい友人のように。
 今までの人生で味わったことのない高揚感が、副会長を包んでいた。
「これなんかいいんじゃないか?」
 唐突に振り返った会長の透明な視線にさらされて、副会長の心臓が再び激しく跳ね上がる。
「…では、それで…」
 そう答えるのがやっとのことで、まるで家具など見ていなかったことにもその時はじめて気が付いた。
 無能だと思われただろうか。そんな不安を抱きながら、側に控えていた店員に購入の意思を伝える。
 レジに行き、生徒会顧問の教諭から借りてきた資金で会計を済ませ、領収証をもらう。学校と近い店なので、月曜日には届けられるというのでそうお願いし、学校の場所を詳しく説明する。
 手配の間、会長は店内を見て廻っているようだった。少なくとも副会長の目の届く範囲に、その姿はなかった。
 用が済み、改めて周囲を見やる。会長はやはり見当たらない。
 まさか、ぼんやりした自分に呆れて帰ってしまったのでは。
 そんなことはあり得そうになかったが、不安は消せなかった。
 巨大な倉庫の中にうずたかく積まれた家具の中を、探して歩く。
 実用本位のスチール家具が並ぶだけで、特に面白いものがあるとも思えない。店内にいるのだとしたら、会長は何をしているのだろう?
「会長、どちらですか…」
 小さく呼びかけながら、山積みの家具の角を曲がった。
「お疲れ様」
 急に耳元で囁かれ、同時に肩を叩かれて、息が止まった。
 家具の影から現れた会長は、にっこりと微笑んでいる。
 その笑顔の中に、かすかな満足感を見て、副会長は硬直した。
 この人は。
 ひょっとして。
 自分を驚かそうと思ってここに隠れていたのか…?
「今日はもう用事はないんだよね?」
「はい」
 副会長は短く答える。
 喉が異常に渇いてそれしか口にできなかったのだ。暴走した心臓は、瞑想、写経、座禅その他いかなる手段をもってしても静まりそうになかった。
 …いや、一つだけ方法はある。
「じゃあ、昼でも一緒にどうだい?なにか奢るよ」
 会長は、その唯一の方法を試そうとしているように副会長は感じた。
 それはすなわち、副会長の息の根を止めることだった。





「で、昼まで駅ビルで時間をつぶして、食事をして、駅で別れたのですが」
「ふーーーーーーーーーん」
 副会長は解せなかった。
 今日は月曜日。ここは学校。そして今は放課後。注文した家具が届く約束の時間が迫っている。副会長は教職員用の玄関で、業者が到着するのを待っていた。
 それがなぜか、いつの間にか現れた先輩に、昨日のことを逐一報告させられている。
 緑都学園2年生。目立つ容姿のこの先輩と、2人きりで話すのは初めてのことだった。
「…で、何時に別れたって?」
 そんなことに答える義務はないとも思うが、相手が先輩である以上、邪険にはできない。しかも、この男は会長と緑林寮で同室なのだ。ならばなおのこと、粗略な扱いはできない。
「2時頃です」
 昼を少し過ぎたところで、駅ビルの上のレストランで食事をした。そこに至るまで駅ビルの中を2人で散策して、なぜか異常に疲れきっていた副会長は、崩れるように席についた。
「具合でも悪いのか?」
「とんでもありません。自分は完璧に健康です」
 気遣う会長に即答する。
 それから2時間近く、いろいろな話をした。
 読んでいる小説の話。生徒会の今後の運営。授業の話。休日の過ごし方。
 あっという間に時間は過ぎた。
 会長の伝票をさらう手つきは一部の隙もなく、遠慮する副会長を軽くいなして2人分の会計を済ませてしまう。
「申し訳ありません。ご馳走様でした」
「いつもお世話になっているから、お礼をしたいと思っていたんだ」
 そう言って、会長は笑った。
 その笑顔に失神しそうになったことは、例え先輩でも告げる気はなかった。
「へーーーーーーーーー、そう」
 しかし、できうる限り真剣に答えているというのに、先輩のこの態度はなんなのか。
 いかにも面白くないというようにだらけた様子で壁にもたれかかり、上履きを脱いだり履いたりしながら、腕組みをしてこちらを見つめている。
 …見つめている、というより、睨みつけている、が正解かもしれなかった。
 敵意を向けられているのだと気付くが、副会長は無視をした。理由も判らないし、この先輩にどう思われたところでたいしたことはない。ただ多少、疎ましいと思うだけだ。
 何とはなしに、この鬱陶しさは布施が側にいる時と似ていると思った。
 全くもって、この手の人間は度し難い。なぜ、理屈に合った落ち着いた行動が取れないのだろう。
 副会長はため息をつく。
 会長だけだ。
 するべき事をし、無駄なことはしない。確たる野心を持ち、目指すものに向かって努力を惜しまない。全てが合理的。
 そして。
 時々こちらが動揺するような、幼い様子も見せる。それは合理的とは言えないが、その行動に振り回されるのはなぜか全く不快ではなかった。
 手塚会長だけが、副会長の心を激しく乱す。喜ばせもすれば不安にもさせるのだ。
「…お前さー、あいつのことどう思ってる?」
 この先輩には珍しい、低い声音で聞いてきた。
 大して親しくもないのにお前呼ばわりされることは気に入らなかった。会長をあいつ呼ばわりするのはもっと気に入らなかった。
 が、この質問には胸を張って答えられる。
 拡声器を持って走りながら叫んでも構わない。
 いやむしろ、衛星通信を使ってでも全世界に向かって宣言したかった。
 副会長にとっての手塚忍とは。


「最高の、生徒会長です」


「………あー………、そう」
 玄関のガラス戸の向こうに、家具屋のトラックが見えた。
 副会長は複雑な表情の先輩を置いて、業者を迎えるべく外に向かった。
 家具を運び入れる、そんな雑事も完璧にこなすのだ。
 全ては、彼の愛する生徒会長のために。

FIN
2005.11.6


チャットでナナイさんとお話したときに、急に萌えまくった副会長の会長崇拝話です。
すごく書いていて楽しかった…。
近藤君⇒忍さんとか、亀垣先輩⇒忍さんとか書きたいと思っていたりします。

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